日本の野鳥の世界
第31回 シロハラ&アカハラ

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@シロハラ(05.3 光ヶ丘公園)
写真@のシロハラは練馬区光ヶ丘公園で周りを警戒しながら、茂った林の刈り取った芝生捨て場で、ミミズを探している所を撮影したものです。
シロハラはウスリー地方から朝鮮半島で繁殖し、冬期に日本全国の平地の林に渡来する大型ツグミの仲間です。アカハラは本州中部以北の山地で繁殖する同じく大型ツグミの仲間で留鳥ですが、冬季には山麓や暖地に移動します。九州や四国では繁殖していないようです。したがって冬鳥ではありませんが、色こそ異なるものの、大きさ、姿形、冬には平地の公園で見られるなど、両種を同時に観察できるチャンスも多いので、比較する意味でここでは一緒に紹介します。
どちらも冬の公園などの地面で落ち葉を払いのけながら、ミミズを探しているシーンをよく見かけます。またどちらも背、翼は褐色ですが、胸から腹が橙色のアカハラに対し、胸から腹が白っぽいシロハラとは良く付けた名前です。
シロハラは下生えのあるよく茂った林を好み、林から出ることはほとんどありません。
アカハラは明るい林や木がまばらに生えた環境を好み、カラマツ林や林縁には個体が多く、夏には標高2000mくらいの高山でも見られます。
私が毎年初夏にオートキャンプを張って探鳥する戸隠高原の朝は、暗いうちからキョロンキョロン、チリリリと大きな声で囀るアカハラの声で目覚めます。あちらからもこちらからも聞こえてくるアカハラの囀りで一日が始まりますが、日が昇りだすと途端に鳴き止みます。

Aアカハラ(03.5 戸隠森林植物公園)
写真Aのアカハラはその戸隠高原の森林植物公園の「水芭蕉の園」で音もなく目の前に現れた時にあわてて撮ったものです。
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山野の冬鳥(3)