日本の野鳥の世界
第14回 ウソ

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ウソ(2000・8 白馬岳 栂池平)@
ウソは高山の針葉樹林で繁殖し、冬には山麓の林に下りてきて小群で生活するアトリ科の野鳥です。春先には櫻の蕾をよく食べることで知られ、春に開花直前の公園の櫻を注意して見ている会うことがあります。オスは灰色の体に黒の帽を被り、喉の紅色が目立つかわいい鳥ですが、メスは褐色主体で喉の紅色もない地味な色です。
東京都江東区にある亀戸天神では毎年1月に「ウソ替え神事」が行われます。これは1年間手元に置いた木彫りのウソを神社に納め 、代わりに新しいウソを買ってくるというものです。前年の凶がウソになり、吉と取り替えると言う意味で、亀戸神社では文政3年 (1820)から180年間も続けられている神事ですが、元は福岡の大宰府天満宮で始められたものだそうです。天満宮の祭神は 菅原道真なので、受験生のお守りとして人気があると言います。(以上、国松俊英著「鳥のことわざ、うそほんと」より)このようにウソは庶民に親しまれた野鳥ですが、最近はなかなか見ることが出来なくなりました。
写真@は2000.8、白馬岳の中腹、栂池平で四羽の小群がダケカンバの木に止まったところを撮ったものですが、オス二羽、メ ス二羽がお判りですか。
ウソ(2005・1・1 蓼科高原)A
写真Aは今年のお正月(05.1.1)蓼科高原の別荘地にあるペンションの餌台に来たオスです。餌台に次々にウソの小群が現れ ました。暮れから3日間同じ宿に居ましたが、一歩も外の出ずに餌台に次々に現れる冬鳥を堪能しました。今後その時の写真もおい おい紹介していきたいと思っています。
ウソ(2004・6 富士山5合目 奥庭)B
ウソ(2004・6 富士山5合目 奥庭)C
写真B、Cは04.5末、富士山五合目、標高約2400mの奥庭の水場に現れたオスとメスです。たっぷりと水浴びをして森に帰 っていきました。
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亜高山の野鳥(2)