日本の野鳥の世界
第5回 キツツキの仲間

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@アオゲラの親子(04.6 練馬区光ヶ丘公園)
日本のキツツキ科の鳥は、アカゲラ、コゲラ、アオゲラ、クマゲラなど11種いる。いずれも木の幹によじ登り、表面や樹皮の中の昆虫を食べている。キツツキの仲間は木の幹をたたいて餌を取るだけでなく、幹に巣穴を彫って繁殖しますが、嘴であんなに激しく幹をたたいて脳震盪を起こさないかと心配になってしまう。キツツキの頭骨は丈夫に出来ているだけでなく、木をたたくショックを吸収できるショックアブソーバー付きの構造になっているのです。また長い舌と舌骨のお陰で、舌を狭い樹皮の間を遠くまで延ばし、虫を捕らえることが出来るなど、キツツキの体は実に上手く出来ている。11種のうちポピュラーで本州のどこでも一年中見られるアオゲラ、アカゲラ、コゲラを紹介しよう。
Aアオゲラのオス(05.3 練馬区光ヶ丘公園)
アオゲラは日本固有種で黄緑色の背中と腹部の黒色横斑それに頭部、顎斑の赤目立つ美しいキツツキです。ハトくらい大きいし、木の幹ら幹へ頻繁に飛び、幹へ移ったら下から上に登ったり、餌を探すために嘴で幹を打ったり、常に動きがあるので見つけやすい鳥です。春の繁殖期にはピョー、ピョー、ピョーと三声で鳴きます。
満腹になると居心地の良い枝に30分以上じっとしている時がシャッターチャンスです。
写真@、Aのアオゲラは昨年光ヶ丘公園で繁殖したアオゲラを追ったものです
アカゲラ(02.1 埼玉県秋ヶ瀬公園)
アカゲラは背中から中央尾羽は黒で、逆八の字の白い斑点と下腹部の赤が目立つ、アオゲラより少し小さなキツツキです。オスでは頭部も赤いのでさらに美しきものです。アオゲラ以外のキツツキは、繁殖期に囀りの代わりにドラミングと呼ばれる木の幹を嘴でたたく音を出します。アカゲラのドラミングは1秒間に18〜22回もたたき、森の中に響き渡ります。
写真は浦和市の秋が瀬公園で撮ったものです。
コゲラ(05.3 練馬区光ヶ丘公園)
コゲラは最も小さなキツツキで、都心の森のも棲みついています。体が小さいので生木に巣穴を開けることが出来ず、軟らかい枯れたきに巣穴を作ります。枯れた木も野鳥の世界には必要なのです。

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