日本の野鳥の世界
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はじめに

日本には4月の初めから5月にかけて、東南アジアからいわゆる夏鳥が渡ってきます。最も日本人に親しまれている夏鳥はツバメでしょう。
夏鳥は繁殖するために日本に渡ってきますが、野鳥たちは繁殖期には盛んに囀るので、森は一年で最もにぎやかな季節を迎えます。囀りは結婚相手のメスに対するディスプレと縄張りを宣言するために行うオスの行為です。夏鳥の中で多くのバーダーが捜し求めるのは、姿が美しくて、囀りが素晴らしい野鳥ということになります。
「オオルリ」「キビタキ」「コマドリ」はその両方を兼ね備えていて、日本三大名鳥と呼ばれていますが、いずれもスズメ位の大きさです。
これらの名鳥は国立公園等の自然豊な原生林等で繁殖しますが、それぞれ渓流沿いの森、明るい広葉樹林、針葉樹林等に棲み分けてはいます
日本の野鳥世界の第1回はこの三大名鳥とその森から始めたいと思います。

アカショウビンの棲む森(02.6 飯豊山山麓胎内川中流)

Canon EOS-3、Canon EF100-400mmF4.5-5.6L IS USM、Canon Extender EF1.4×
フジクロームプロビア400 絞り優先オート(開放)

山野に棲む夏鳥は広葉樹林、針葉樹林、草原等いろいろ棲み分けていますが、標高1500m未満に多い広葉樹林は開発の危機に直面し、年々減少しています。夏鳥の棲む典型的な森はブナの林ですが、限られた地域でしか見られなくなりました。
真っ赤の嘴のアカショウビンは深い森に棲むバーダー憧れの美しい夏鳥です。「キョロロロロ・・・・」と遠くまで聞こえる独特のふるえ声で鳴くので、すぐに判りますがなかなかお目にかかれません。写真は新潟県の飯豊山麓、胎内川の中流のブナの原生林です。こんな森には多くの野鳥が生息しています。

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