第28回 その他の春の花たち
まだまだ、雨の多い、肌寒かったり蒸し暑かったりと、気候の定まらない毎日ですが皆様お元気ですか?今回は、春の花でまだ掲載していないものを、アットランダムにご紹介します。何だかとりとめもなくという感じですが、さらりと見てください。

ヤマザクラ」  和名 「山桜」

花期 4月
バラ科 サクラ属 
樹高 20~25m 花径 2.5~3.5cm

本州(関東以西)、四国、九州の丘陵帯から山地帯下部に分布。日本の桜に9種あるといわれている原種の一つです。

色の鮮やかなソメイヨシノが登場したのは江戸時代より後のことで、それ以前はサクラと言えば、このヤマザクラのことを言っていたようです。花が咲くのと葉が出るのが同時期で、新葉が赤みを帯びるのが特徴です。ソメイヨシノに比べ風雅のあるサクラですので、好む人も多いようです。
ハナイカダ」  和名 「花筏」

花期 5~6月
ミズキ科 ハナイカダ属 
樹高 1~3m 花径 5mm

やや湿り気のある林縁や林床に見られる落葉性潅木。葉の上に花が咲く珍しい木です。始めて見た時は珍しいし可愛いし感激しました。写真はもう花が終わって緑の実になっているところですが、これからさらに紫色に変わっていきます。
シライトソウ」  和名 「白糸草」

花期 5~6月
ユリ科 シライトソウ属 
草丈 15~40cm 
花径 1cmほどの花を多数つけ、
    長さ10~20cmの総状花序を作る

山地の木陰に生える多年草で、花茎の先に穂状花序がつき,たくさんの白い花がブラシ状に下から上へと咲いていきます。
ハルリンドウ」  和名 「春竜胆」

花期 3~5月
リンドウ科 リンドウ属 
草丈 10cm 花径 0.5~1.5cm

フデリンドウとともに春に咲くリンドウで、日当たりのよい山地に生育する2年草。5枚の花弁の間に小さな副片があり、内側に濃い青色のすじがあるのがいいバランスで可愛い花です。

基部から枝分かれして数本の茎を束にして立て、その先端に花を上に向けて1個づつ開きます。春先のまだ花の少ない草原でこの花に会うととても爽やかな気持ちになります。
オウギカズラ」  和名 「扇葛」

花期 4~5月
シソ科 キランソウ属 
草丈 10~20cm 花径 2~2.5cm

山地の木陰に生える多年草。上部の葉のつけ根に紫色の唇形の花を数段につける。キランソウなどと同じ仲間で、花の形はそっくりと言っていいほどよく似ています。黒岳のヤマシャクヤクが咲いているあたりに咲いていました。

マルバコンロンソウ」 和名「「丸葉崑崙草」

花期 3~5月
アブラナ科タネツケバナ属 
草丈 10~20cm 花径 0.8~1.2cm

やや湿り気のある林内や林縁部に生育している2年草。名前のいわれは、花の白さを中国の崑崙山脈の雪に見立てたというコンロンソウに似て葉が丸いことからといわれています。黒岳を春歩いているとあちこちに白い十字状の花が咲いています。


ミヤマカタバミ」 和名「深山傍食」

花期 3~4月
カタバミ科 カタバミ属 
草丈 10~15cm 花径 3~4cm

落葉広葉樹林やスギ植林地などの林床に生育する多年草。白色の5枚の花弁に薄い紫色のすじが入っていて清楚な感じのする花です。カタクリを見に寂地山に登った時に道々咲いていました。
キンポウゲ」 和名「金鳳花

花期 4~6月
キンポウゲ科 キンポウゲ属 
草丈 40~50cm 花径 約2cm

水田のあぜ道、適度に湿った路傍などに普通に生育する多年草。別名ウマノアシガタと云われています。

花弁に光沢があるのがこの仲間の特徴の1つで、春になると野原や田の畦にいっぱいきらきらと輝いて咲きます。細く伸びた茎に、黄色のお皿のようにくぼんだ花びらが5枚、緑色の萼の上に乗っていて可愛らしい花です。
ムラサキサギゴケ」 和名「紫鷺苔」

花期 4~5月
ゴマノハグサ科 サギゴケ属 
草丈 5~10cm 花径 1~1.5cm

日当たりのよい湿り気のあるあぜや土手で生育する多年草。紫色の葉弁の上に2つの黄色のふくらみがあります。花の形が鳥の「サギ」が飛ぶ姿に見え、また地面をはうように生えることから「コケ」の名がついたそうです。
ユキノシタ」 和名「雪の下」

花期 5~6月
ユキノシタ科 ユキノシタ属 
草丈 20~50cm 花径 1~2cm


沢沿いの岩場など、湿り気の多い半日陰の場所に生育する多年草。花は5弁の白い花ですが、上側の3つの花弁は小さくて濃い紅色の斑点があります。
ギンリョウソウ」 和名「銀竜草」

花期 4~8月
イチヤクソウ科 ギンリョウソウ属
草丈 8~20cm


林や森の湿り気があって腐葉土が豊かな薄暗いところに生育する腐生植物。名前のいわれは、立ち姿が竜の頭や胴体に見え、透明感ある白を「銀」とみて「銀の竜の草」となったようです。

初めて出会ったのは歩っ歩倶楽部で山口県の龍護峰に登った時、なんだか透明なガラスでできたキセルのような奇妙な姿に驚きました。別名の「ユウレイタケ」というのがぴったりくる少し不気味な花です。緑色の葉や茎を持たず、必要な養分は根に共生する菌類から得て生育します。
ユキモチソウ」 和名「雪餅草」

花期 4~6月
サトイモ科 テンナンショウ属
草丈 25~50cm 花の長さ 約20cm


有機質に富んだ土を好み、山地林下に生える多年草。蝮草に似ていますが、付属体の頭部が白い球形をしていて雪のように見えることから、餅にたとえて雪餅草と言われます。2005年春の歩っ歩倶楽部で九千部岳に登った時に見かけ、吉田慶子さんに名前を教えていただきました。
タンポポ」 和名「蒲公英」

キク科タンポポ属の総称で、前回のスミレと同様、日本人には身近な植物で、日本全国、日当たりのよい草地や道端などいたるところで見られる多年草です。世界には2000種ものタンポポがあるそうです。私たちの身近にあるものは、在来種のカンサイタンポポ、シロバナタンポポと外来種のセイヨウタンポポがほとんどのようです。花後に綿毛になったのを見ると、思わず手にとってふーっと吹いてみたくなります。カンサイタンポポははっきりこれといえる写真がなかったので説明だけです。
セイヨウタンポポ」 和名「西洋蒲公英」

花期 3~10月
キク科 タンポポ属
草丈 10~20cm 花径 3~5cm


ヨーロッパ原産のタンポポ。花の集まりを包む総包の外片がそりかえる点が特徴。春から秋まで花期が長く続く。
シロバナタンポポ」 和名「白花蒲公英」

花期 3~5月
キク科 タンポポ属 
草丈 30~40cm 花径 3.5~4cm


関東地方以西に生育する全体が白色、中央部が黄色のタンポポ。

カンサイタンポポ」 和名「関西蒲公英」

花期 4~5月
キク科 タンポポ属
草丈 15~30cm 花径 2~3cm

近畿地方以西に生育する、やや小さなタンポポ。花の集まりを包む総包の外片がそりかえらないのが特徴です。


ハルジオン」 和名「春紫苑」

花期 5~7月
キク科 ムカシヨモギ属 
草丈 30~100cm 花径 2cm


都会の空地や荒地、道端などにはえる高さ30~80cmの越年草。集合花のふちの花びらは細かく白または淡紅色、中心部は黄色です。春から初夏にかけて、あちこちで見られ、久住あたりの道路の両脇は春から初夏にかけてハルシオンでいっぱいです。
ノイバラ」 和名「野茨」

花期 5~6月
バラ科 属 
樹高 約2m 花径 約2cm


日本に13種ほどある野性バラの代表種で、原野や河原などのやや水分条件が良く、日当たりの良い場所に生育する落葉低木。枝にとげがあり、春、山道の矩面にしげみを作って白い小型の花をたくさん咲かせます。

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