第17回 利尻・礼文の花(3)
「利尻・礼文の花」の3回目です。前回、「レブンシオガマ」を紹介しましたが、今回はそれ以外の、名前に「レブン」を冠する花を集めてみました。

レブンソウ」  和名 「礼文草」

花期 6~7月
マメ科 オヤマノエンドウ属 
草丈 10~25cm 花径 約2cmの花を10個前後集まって総状花序を作ります。

礼文島の海岸近くの礫地や草地に生育する多年草。和名の由来は、礼文島でのみ見られることからつけられたそうで、礼文島の花を代表する花といえます。紅紫色が一般的ですがまれに白花レブンソウもあります。
レブンアツモリソウ」  和名 「礼文敦盛草」

花期 5~6月
ラン科 アツモリソウ属 
草丈 25~40cm 花径 3.5~5cm

礼文島の固有種。低い山の草地から海岸にかけての斜面や海岸付近の低地に生育する多年草。ただし盗掘がひどく今は厳重に柵に守られた保護地「レブンアツモリソウ群生地」でしか見られません。

私が訪ねた時は自生地の花はもう終わっていました。写真は絶滅危惧類に指定されている花をバイオテクノロジーを駆使して人工的に培養増殖し、育苗し、山へ返すことを目的に開設された高山植物園で栽培されているものです。花弁はちょっと触れても傷みやすい繊細な花です。
レブンキンバイソウ」  和名 「礼文金梅草」

花期 6~7月
キンポウゲ科 キンバイソウ属 
草丈 40~80cm 花径 3~4.5cm

礼文島の草地に生える多年草。花弁状に見えるのは萼片で、雄しべを取り巻くように裂けて見えるものが花弁だそうです。

八重咲きのほっくりと重量感のある美しい花です。鮮や濃い黄橙色が桃岩遊歩道のあちこちに咲いていました。
レブンウスユキソウ」  和名 「礼文薄雪草」

花期 6~8月
キク科 ウスユキソウ属 
草丈 15~30cm 花径 2.5~3cm

礼文島の日当たりの良い乾いた岩場や草地に生える多年草。第3回のページの「ミネウスユキソウ」のページでも一度写真だけ登場しましたが、再度ご紹介します。

ウスユキソウの名前は淡白色の葉を薄く積もった雪にたとえたもの。エーデルワイスの仲間のなかでも特に美しく気品を感じます。礼文林道の礼文滝へ下る道沿いの通称「ハイジの丘」にたくさん咲いていました。礼文町の町花にも指定されています。
レブンハナシノブ」 和名「礼文花忍」

花期 6~7月
ハナシノブ科 ハナシノブ属 
草丈 30~80cm 花径 2~2.5cm

北海道の礼文島の草地にのみ生育する多年草。北海道に咲くカラフトハナシノブのうち、礼文島に咲くものは、花序が短く、花が密生するので、特にレブンハナシノブとして区別します。

紫色の花びらと黄色のオシベのコントラストがとてもあでやかです。阿蘇で見ら
れる「ハナシノブ」と比べても、紫の色が濃く、草丈も短いので、より厳しい環境で育つためかなと思います。

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