第15回 利尻・礼文の花(1)
皆様あけましておめでとうございます。
お正月をいかがお過ごしでいらっしゃいますか?今年もよろしくお願いいたします。また、今年が皆様にとりましてよい年でありますように心からお祈り申し上げます。
さて「山野の花々」は、今回から数回に分けて、昨年6月に訪れた利尻島、礼文島の花をご紹介しようと思います。利尻島までせっかくいったのに、残念ながら体力的に無理なので利尻岳には登らず、利尻も礼文も花いっぱいのトレッキングコースを歩いて花を楽しんできましたので季節はずれですが順不同でご紹介します。

リシリヒナゲシ」  和名 「利尻雛芥子」

花期 7~8月
ケシ科 ケシ属 
草丈 10~20cm 花径 2.5~3cm

北海道の利尻島利尻岳の山頂付近の岩礫地に特産する多年草。山頂付近にのみ自生している日本では唯一の野生のケシです。

ただ、今では種を持ち帰り平地の道ばたや民家の庭でも植栽していますので、利尻岳に登らない私でも咲き終わりでしたが見ることができました。透き通るような黄色の薄い花弁が美しくはかなげな花です。
ハマナス」  和名 「浜梨」

花期 5~8月
バラ科 バラ属 
草丈 100~150cm 花径 6~7cm

北海道や東北地方の海岸沿いの砂地に自生している落葉低木。

啄木が「潮かをる北の浜辺の砂山の かの浜薔薇(はななす)よ今年も咲けるや」と詠み、「知床の岬にハマナスの咲く頃~、思い出しておくれ」という歌詞で「知床旅情」の歌にも登場するバラに似た美しい野性のハマナスは、雄大な自然にぴったりで旅情を感じます。名前の由来は、果実の味が梨によく似ていることから、浜に生える梨で、「ハマナシ」、それがなまって「ハマナス」になったそうです。
キクバクワガタ」  和名 「菊葉鍬形」

花期 6~8月
ゴマノハグサ科 ルリトラノオ属 
草丈 5~25cm 花径 1~1.2cm

北海道の亜高山~高山帯の岩礫地や海岸の砂礫地に生える多年草。花茎から青紫色の小花を多数穂状に付けます。花冠から長い1本の雌しべと2本の雄シベを突き出します。

名前の由来は 菊の葉に似たクワガタソウの意でクワガタ(鍬形)は果実につく萼が兜の鍬形を思わせることから来たそうです。
エゾイソツツジ」 和名「蝦夷磯躑躅」

花期 6~7月
ツツジ科、イソツツジ属 
樹高 20~50cm 花径 1~1.5cmの花が散房状に多数つきます。

北海道、本州東北地方の亜高山~高山帯に生える常緑小低木。北海道では平地の湿地にも生えます。可憐な少し寂しい感じがする花です。 北海道では大きな群落があちこちに見られるそうです。

エゾカラマツ」 和名「蝦夷唐松」

花期 6~8月
キンポウゲ科 カラマツソウ属 
草丈 60~80cm 花径 約1cm

北海道、本州中部地方以北の低地~亜高山の明るい草原や林内に生育する多年草。利尻島の姫沼の遊歩道に咲いていました。葉がカラマツの葉に似ているのでつけられた名前です。白い糸のように見えるのは花弁ではなく花糸で、よくみると黄色の雄しベが先端についています。華奢な花です。
エゾカンゾウ」 和名「蝦夷甘草」

花期 6~7月
ユリ科 ヘメロカリス属
草丈 40~70cm 花径 6~7cm 

北海道、本州北、中部の 湿地、山地や海岸の草原に自生する多年草。利尻、礼文の遊歩道や海沿いの草地などあちこちに群落を作って咲いていました。花の色が鮮やかなので遠目にもよく目立ちます。ニッコウキスゲによく似ていますが、花弁が短く厚いところが少し異なります。
エゾスカシユリ」 和名「蝦夷透百合」

花期 6~7月
ユリ科 ユリ属 
草丈 15~30cm 花径 約10cm

北海道、本州北部に生育する多年草。濃いオレンジの鮮やかな色合いと、花の大きさに比べて草丈がアンバランスな感じがするほど短いものが多いのが特徴的です。ラッパのような形をした花がまっすぐに天に向かって頑張って咲いているという印象です。 6 枚の花びらの根もとが細くスキマがあるところから、その名が付けられました。
エゾツツジ」 和名「蝦夷躑躅」

花期 6~8月
ツツジ科 エゾツツジ属 
草丈 5~30cm 花径 3~4cm

本州北部と北海道の高山に分布する落葉低木。風当たりの強い岩礫地や草地に生えるため高さは小さく、地面から直接花が出ているように見えます。丈が小さいために花が実際以上に大きく見え、色も鮮やかで美しいので遠くからでもよく目に入ります。


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