第9回 阿蘇・久住の秋の花(2)
もうすっかり秋の気配が感じられるようになり、木々も少しずつ色づき始めましたが、皆様お元気ですか?秋の花の2回目をご紹介します
アキノキリンソウ」  和名 「秋の麒麟草」
花期 8~11月
キク科 アキノキリンソウ属 
草丈 30~80cm 花径 10~15mmの花を総状につけます。
草原から明るい森林に生育する多年草。秋に阿蘇・久住の山に登るとあちこちに咲いています。ほっそりしたのや上のほうに密に花をつけたもの、背丈の低いのや高いのと、いろいろですが、鮮やかな黄色で、淋しくなり始めた秋の山を彩ってくれる花です。
ツリフネソウ」  和名 「釣船草」
花期 7~10月

ツリフネソウ科 ツリフネソウ属 
草丈 40~80cm 花径 3~4cm

湿った場所を好み、沢沿いに群生する1年草。実が熟すと少し触れるだけでも種をはじき飛ばして翌年また花を咲かせます。名前のいわれは花の形を「吊り船」に例えたものです。九重のやまなみハイウェイ沿いの林の中に咲いていました。
葉の上に伸びた細い花柄の先になんとも不思議な形をした花が釣り下がっています。ミツバチが密を集めやすいような形になっているそうで、自然の造形の素晴らしさを感じます。後ろにくるっとまいた距も可愛く、鮮やかな赤紫の色が林の中で目立ちます。
ハガクレツリフネ」  和名 「葉隠釣船」

花期 7~10月
ツリフネソウ科 ツリフネソウ属
草丈 50~80cm 花径 2~3cm
山地の林内に生える1年草。「ツリフネソウ」は花が葉の上の咲くのに対し、この花は葉の下の隠れるように咲いていることから名前が付けられました。

「ツリフネソウ」に比べ、少し控え目な感じです。後ろの距が完全に巻き込まないのも「ツリフネソウ」と違います。野草園の林の中に群生して咲いていました。
キツリフネ」  和名 「黄釣船」 
花期  6~9月

ツリフネソウ科 ツリフネソウ属
草丈 30~60cm 花径 3~4cm
低山から山地の水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生する1年草。「ツリフネソウ」に似た黄色の花を咲かせることから名付けられました。
花の咲き方は「ハガクレツリフネ」と同じで、葉の下に伸びた花柄の先につり船の形の花を下げます。緑の中で鮮やかな黄色が目を引きます。「ハガクレツリフネ」と同じ場所に咲いていました。
ミズヒキ」  和名 「水引」 
花期 8~10月

タデ科 ミズヒキ属
草丈 40~80cm 花径 4~5mm
半日陰の林下や路傍などに普通に生育する多年草。長く伸びた茎に小さな可愛い花をつけます。名前のいわれは上から見ると赤、下から見ると白の花を、のしなどに使われる水引にたとえたものだそうです。
野の花という風情をとても感じさせる花で、その清楚な姿が好まれて茶花としてもよく使われます。あまりに小さくて、悲しいかな私のコンパクトデジカメと拙い腕では、その可愛さと風情を表現できないのが残念です。
キンミズヒキ」  和名「金水引 
花期 8~11月

バラ科 キンミズヒキ属  
草丈 30~80cm 花径 7~9mmの小花を穂状につける
山野の林のへり、道ばた、草地などに自生する多年草。黄色い細かい花穂を金色の水引に例えた名前とか。
「ミズヒキ」とは名前は似ていますがバラ科で、花の付き方も全く違う花です。山すその登山道の脇に可愛く咲いています。
シラヒゲソウ」  和名「白髭草」 
花期 8~10月

ユキノシタ科 ウメバチソウ属  
草丈 15~30cm 花径 1.5~2.5cm
山地の谷沿いの湿地に生える多年草。今年、長者原の湿原の草むらの中に、はじめてこの純白の花を見つけて感激しました。
すっと伸びた茎の先に白いレースのようなフリルをつけて咲いている姿は凛として、清らかな花です。「ウメバチソウ」と同じ仲間だそうです。
トリカブト」  和名 「鳥兜」
花期 9~10月
キンポウゲ科 トリカブト属 
草丈 約1m  花径 約3cm
山地、山すそなどの日当たりの良い少し湿った場所に自生する多年草。特徴ある形と鮮やかな青色で目を引きます。写真のものは野草園で見かけたもので色が淡いですが、山で自生するものはもっと濃い青紫色をしているそうです。
名前のいわれは、舞楽の装束に用いられる、鳳凰の頭をかたどった被り物の「鳥兜」に似ていることから付けられたそうです。花、茎、葉、根、全て有毒、特に根は猛毒で、時々事故や事件で新聞をにぎわしています。

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