第5回 阿蘇・久住の夏の花(2)
 「阿蘇・久住の夏の花」の2回目です。前回は阿蘇に特有な花を主に掲載しましたが、今回は久住の草原や山道で写した花が中心です。
シシウド」   和名「猪独活」
花期:8~9月
セリ科 シシウド属の多年草
草丈 1~2m 花径 
山地の日当たりのよい草地に生えます。名前の由来はウドに似ていますがウドよりも丈夫そうなので、イノシシが食べるのに似つかわしいと考えたことによるとされています。茎の先にたくさんの白い花をつけ、開いた様は線香花火のようです。

学生の頃初めて信州の草原を歩いていて、あちこちに咲いているのを見たとき、素朴だけれどなんと伸びやかな夏らしい花だろうと思ったものです。


シモツケソウ」  和名 「下野草」 
花期 6~8月

バラ科 シモツケソウ属の多年草
草丈 30~80cm 花径4~5㎜で散房状に多数つく
高原の日当たりのよい草地などに群生して生える植物。名前のいわれは下野(しもつけ)の国ではじめて発見されたからとのこと
しっかりした濃い色のつぼみとふわふわと夢のように開いた淡いピンクの花がとても美しい花です。

コオニユリ」  和名 「子鬼百合」 
花期 7~9月

ユリ科 ユリ属の多年草
草丈 1~2m 花径 6~8cm
山地の日当たりの良い、湿り気のある草原に自生します。真夏の草原ですっくと立ち上がり、うつむき加減に軽やかに花弁をそらして咲く鮮やかなオレンジ色は輝いて見えます。

写真の花は山からの帰りに道路わきに咲いているのを見つけました。
チダケサシ」  和名 「乳茸刺」 
花期:6~8月

ユキノシタ科 チダケサシ属の多年草
草丈 30~80cm 花径 約4mm
山野の湿ったところに生育します。信州地方で、旬のチチタケ(乳茸)というキノコを茎に刺して運んだのでこの名がついたそうです。細い茎が強いからでしょう。茎の先に泡のような小さな花が穂になってたくさん咲きます。
ヤマアジサイ」     和名「山紫陽花」 
花期 8~9月

ユキノシタ科 アジサイ属の落葉低木樹高 1~2m 花径 5~10cmの房状の花の周りに1.5~3cmの装飾花がつきます。
内陸の湿度のある山林に自生する小型のガクアジサイです。色も形も様々な種類があるようです。
汗をかきかき登る山道で清涼感あふれるこの花に出会うと涼しい風が吹いたような気がします。
ノハナショウブ」   和名「野花菖蒲」
花期 6~7月

アヤメ科 アヤメ族の多年草
草丈 60~120cm 花径 約10~13cm
ハナショウブの原種で山野の草原や湿原に自生します。
園芸種のハナショウブに比べ、ほっそりと清楚で、濃い紫色が古風な感じがして好きです。長者原の湿原に咲いていましたが、遠くて近づけないので、ピントが合っていなくてすみません。
ホソバノヤマハハコ」    和名「山母子」 
花期 7~9月

キク科 ヤマハハコ属の多年草 
草丈 20~70cm 花径 約1cmで多数集まってつく
山地の日当りの良い草原に生えます。葉の広い「ヤマハハコ」は長野以北に、「ホソバノヤマハハコ」は 西日本に生育します。



茎にも毛があるため、全体がかなり白っぽく見えて、遠めで見ると暖かく柔らかに見えますが、触れてみると、かさかさとしたドライフラワーのような感触です。
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