No.25
2007年 2月 2日 
鉄塔組立です。直線部分に使う鉄塔は支線で引っ張って持たせる構造で、日本では見かけません。これは非常に安くかつ組立も少ない時間で出来ます。予め地上で組み立ててクレーンで一気に吊上げ固定します。線路が曲がる部分には大型の鉄塔が使われ、これは少しずつ組み立てていきます。
こんにちは、永田です。
「新年おめでとうございます」の挨拶の時期はとっくに過ぎてしまいましたが、今年も宜しくお願いします。
年末年始や仕事で忙しかったこともあり、近況報告をサボっていました。昨年を振返ると、どうも遊びの話題が多かったようで、今年はたまには格調高い話題もお送りしようなどと思っていますが、どうなることやら。

年末年始の10日間ほど一時帰国しましたが、寒い日本に耐えられず南アに戻ってきました(「戻る」の言葉が自然に出ます、ムムム・・・)。
ところが、1月の南アは夏の盛りのはずなのですが、12月下旬までの陽気とは打って変って、毎日シトシトと雨続きの天気です。「こんな事はあまり無い」と当地の人は言いますが、早起きオジサンには夜明け前は寒いくらいで、足元に電気ストーブを置いているこの頃です。

こんな状態なので、あまり出歩けず景色もぱっとせずで、良い話題・写真がありません。
そこで、今回は現在我々が行っている仕事について少し紹介します。
仕事の話はあまり面白くないとも思いますが、ネタ切れなので一度くらい勘弁下さい。
元々南アは他のアフリカ諸国と比べ経済的にも裕福で先進国ですが、電力需要の伸びに供給能力が追いつかず、急に暑くなったり寒くなったり何かあるとすぐに電気が足りなくなり地区停電を余儀なくされます。こんな状態なので、2010年のサッカーワールドカップ開催までを目標の一つにして2012年までの5ヵ年で電力供給能力を大幅に増強しようという計画が実行されています。
我々が作っている送電線はケープタウンに建設中の発電所からヨハネスブルグ近郊までの1,500kmを繋ぐ基幹送電線の一部区間の250kmです。250kmと言っても結構な長さがあり、九州で言えば福岡-鹿児島を直線で結んだ空路よりも長いです。
この送電線を見渡す限り農場・牧場が広がる平坦な場所に建設する、というのが今回の仕事で、工事環境的には非常に恵まれた所です。
基礎工事です。穴を掘って鉄筋を組み鉄塔の足に当たる部分を入れてコンクリートを流し込んで養生して埋め戻します。
電線を引き出しているところです。電圧や容量が高いので、6本の電線を束ねて1相としますが、引き出すのも1本の太いワイヤーで電線6本をまとめて引っ張ります。こんな事ができるのも平坦で広いからで、この方法で本格的に延線工事行っているのは世界初ではないかと思います。
キャンプ(作業者の宿舎・資材置き場)の様子です。
問題は工期が非常に短い事で、会社登録や事務所探しから始まって、設計・承認取得・資材調達などに必要な時間を除くと実質12ヶ月で測量・基礎・鉄塔組立・電線張り等の工事を終わらす必要があります。分りやすく言い換えれば、1日あたり2基の鉄塔を組立てるペースで全体の工事を進めると言った感じです。
従って、我々スタッフ(日本人は私1名、後はクロアチア・フィリピン人などの優秀な技術者と南アのスタッフ約十数名)と南アの工事会社の作業者約500名で、必死になって工事を進めています。
今のところ大きな問題もなく順調に進んでいますが、安全と進捗,それを支える環境や全員一致のムード作りに最も気を使っています。

それではまた、
永田

出来上がった送電線の状況です。
休み返上で頑張ってくれているスタッフを引き連れてレクリエーションに行ったレソトでの写真です。
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