No.3
2007年4月15日 
ワディ・ナトゥルーンにある聖マカリウス修道院。4世紀に建立されエジプトで最も重要な修道院。
第3回目は「エジプトのコプト教(キリスト教)」編です。宗教の話しでちょっと堅苦しいかも知れませんが、紹介します。
エジプトはアラブの国でイスラム教徒が大半ですが、全員がそうではありません。約9割がイスラム教徒で、残りの1割はコプト教徒(キリスト教)が殆どです。昔〜し高校で習った歴史を思い出していただくと(思い出せない人は無理しないで結構です)、エジプトの歴史は紀元前3000年頃にメネス王が国を統一した頃から始まります。多くのピラミッドが建造された古王国時代には色々な神が信仰されていたのですが、最盛期には王は神の化身であり国家の最高の神は太陽神”ラー”でした(・・・と、物の本に書いてあります)。要は大昔は日本と同じように火の神・水の神・山の神・七福神?みたいに色んな神様を仲良く信じていたわけです。
それからずーっと後になり、紀元前3世紀にマケドニアのアレキサンダー大王が乗り込んで来て、クレオパトラが登場したりするのですが、紀元40年頃から使徒マルコによると言われるキリスト教の布教が始まり多くの宣教師によってエジプト人の多くはキリスト教徒になりました。これが今のコプト教の始まりです。その後、7世紀のアラブ軍によるエジプト征服でイスラム教への改宗者が相次ぎ今に至っています。
コプト教はエジプトを中心とした原始キリスト教の一派ですが、”オールドカイロ”と呼ばれる地区に教会や修道院があり教徒も多く住んでいます。宗教が違うだけで他のイスラム教徒のエジプト人と同じような暮らしをしているようですが、宗教行事の際にはコプト語を使い独自の礼拝などをします。
オールドカイロ地区の入り口。左に見えるのは聖ジョージ女子修道院。 オールドカイロ地区の中心的存在の聖ジョージ修道院。巡礼旅行の人も来ていました。
先週の日曜8日は復活祭(イースター)だったので、工事現場に行った際にワディ・ナトルーンという砂漠の中のオアシスの町にある修道院を訪ねてきました。エジプト国内で最も重要な聖マカリウス修道院の中には入れませんでしたが、シリア修道院でミサ?の様子を見させてもらいました。
なかなか見るチャンスがないと思いますので、写真でご紹介します。
聖ジョージ修道院の仲の協会または礼拝所。 ワディ・ナトゥルーンにあるシリア修道院。

シリア修道院内にある聖処女教会の入り口。聖ビショイの教会と書かれています シリア修道院内の教会で行われていた復活祭の儀式?の様子です。内容は良く分かりませんが、脇でトライアングルを鳴らしながら聖書を唱えていました(お寺の読経に近い響きです)。周りでは、じっと座って瞑想する人や近所から訪れお祈りする人などがいました。修道僧からどこでも自由に入って写真撮っても構いませんと言われ、修行の邪魔にならないよう遠慮しながら撮った写真です。

それではまた(アラブ語で「マッサラーマ」と言います)。
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