No.2
2007年4月9日
電線架線工事

第2回目は「こんな所で仕事をしています」編です。少し会社の紹介めいた感じになりますが勘弁下さい。
WVの皆さんにはあまりなじみが無いかも知れませんが、小生は電線メーカーであるフジクラ(ゴルフのクラブシャフトの方がお馴染みの方もいらっしゃるかも?)に勤めています。現在は電力部門が古河電工と合弁して作った「ビスキャス」という会社に出向の形で仕事をしています。電線でも直径50ミクロンの光ファイバーから50センチの超高圧ケーブルまで色んな種類がありますが、私は架空送電線関係の仕事をしています(山に行くと良く見かける鉄塔間に張ってある電線です)。 電線を作るだけではなく工事もやっており、特に海外では鉄塔・電線・がいし・付属品など必要な資材の設計・調達から測量・基礎・組立・架線といった送電線建設工事一式を請け負うケースが多く、ここエジプトでもそういうプロジェクトの仕事を行っています。

今回のプロジェクトは地中海に面したアレキサンドリア近郊の発変電所からNUBARIA発変電所経由でカイロ近郊の変電所との間を繋ぐもので、電圧50万ボルト,約220kmの長さの送電線です。今は建設工事の真っ盛りですが、工事はエジプトの下請け会社や直営のタイ人のチームで幾つもの現場に分かれて行っています。工事事務所の体制はプロジェクトマネージャーとサイトマネージャーの2人が日本人,他にクロアチア・ボスニア(旧ユーゴスラビア)・フィリピン・タイ人のエンジニアやエジプト人の総務・経理・コック・運転手などのスタッフがおり、総勢20名位で仕事をやっています。小生はプロマネ(中村君)と共にギザの工事事務所の2階に寝泊りしていますが、他のエジプト人以外のスタッフはそれぞれ家(アパート)を借りて暮らしています。ルート長が220kmですので、事務所から現場に行くにも高速道路を使い田舎道を走って2時間から3時間程かかり、遠くの現場になると通勤が大変です。
途中は概ね農地と砂漠(土漠)です。農地といっても日本では見られないような10km四方(1万ヘクタール)もある大規模農園もあり、米・麦などの穀物、レタス・キャベツ・ネギ・大根などの野菜、バナナ・マンゴー・オレンジ・ぶどう・アプリコット・イチゴ・メロン・すいかなどの果物、エジプト綿で知られる綿花、また砂漠を緑地化するための草(日本でカットした芝生を売っていますが、あの感じです)などを大々的に作っています。こんな大農園のオーナーはエジプトでも有数の資産家です。一方で、数ヘクタール規模の畑で色んなものを育て収穫している農家も多くあります(これが元々のエジプトの農家の姿でしょう)。田舎に行くと純朴と言うか親切で気さくな人が多いのですが、この話しは別の機会にします。

基礎工事

それではまた(アラブ語で「マッサラーマ」と言います)。
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